人のつながりの理論

人は独りでは、生きられない。

機動戦士ガンダムのラストシーンで、上記の歌詞が流れる中で、主人公アムロは「僕にはまだ帰れるところがあるんだ。こんなにうれしい事はない」と語って、仲間たちのとこにたどり着きます。

【機動戦士ガンダム 名台詞集】アムロ・レイ「こんなにうれしい事はない」 | ガンダムグッズ!おもしろい!

 

なんとなく僕らはその通りだと深く共感をして、人は社会的な生き物だから、と納得をしているのですが、実際のところ人のつながりが具体的に人にどのような影響を与えているのか、なぜ人はつながろうとするのか、よくわかっていないことが多いと思います。
そんな疑問に答えてくれる本を紹介したいと思います。

ncase.me

上記サイトで人のつながりのガイドを受けて、原著となるニコラス・A・クリスタキス(ハーヴァードの医学博士)の「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」を読みました。

http://amzn.asia/aFiJcmQ

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とにかく深い!

めちゃくちゃ示唆に富んだ内容ばかりでした。

一見してみると当たり前のことを話しているようなので、速読するとなんだつまらない本だなと思うかもしれません。

本に書かれていることは、当たり前の結論も多いけど、多くの事例や実験によって検証されたものばかり。人を深く理解したい方には必読の本だと思えます。

自分の中では、ずっと自分の中にもっていた色んな疑問のミッシング・ピースを埋めてくれた本になりました。(別の意味でつながりまくりました)

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このネットワークの構造によって理解がもたらされるものは幅広いです。

人の「幸せ」とか「健康」とか「お金」の問題も深く結びついています。

政治(誰が当選するのか、投票行動にはどのような動きが伝わるのか)や、経済もそう(バブルや人は感情で動く時にどう連鎖反応がおきるのか)

経営学だとリーダーシップ論で人はどのような動きに心が動き一緒に行動するのか、マーケティングだとどのように口コミを広げていくのか、など、多くの分野とこのネットワーク論を掛け合わせると、理解がとても深まると思いました。

※先日読んだ「ティール組織」も、この本を読んだ知識と掛け合わせると本質が理解できた気がしました。

山本七平の「空気の研究」などは、この本と掛け合わせるとすごく良いなと思います。古典的名著でも空気を日本人の社会論に落としてしまっていますが、そうではなく人の伝染のメカニズムをきちんと把握することが大切だなと思う次第。

本についている帯には「肥満も、性感染症も、笑いも、全て伝染する」とありますが、本当にこの人のつながりがどのように社会を動かしているのかを、深く理解できれば、もっと良い世の中にできるのではないかという想いになりました。

 

おそらく2018年に読んだ本の中で最も衝撃を受けた本になる気がします。

語りたいことがケチャップのようにどばどば出て終わらなくなりそうなので、この辺にて

マニアックなエントリーを最後まで読んでいただいた方に感謝申し上げます。