ロシアワールドカップの日本代表の形が見えた試合

昨日のパラグアイ
仕事終えて後半だけみることができましたが、西野Japanが目指している形がかなり実現できた試合ではなかったでしょうか?
南米のチームに4-2で勝利というのは、かなり希望が持てますし、内容もよかったです。

監督解任劇などもありかつ勝ちがつかない状況で叩かれることの多い日本代表ですが、腐らず多くのトライアルをしている中でようやく光明がみえてきたのではないでしょうか。


自分がサッカーを観戦している時何を見ているのかということを一度考えたことがあり、まとめたのが下記です。

f:id:Umeyan:20180613113651j:plain


Football Goal chainというのは私の造語で、経営学のVallue chain分析をもじったものですが、要はプロセス分解です。
だいたいチームのカラーがでるのはディフェンスで「いかにボールを奪うのか?」というところと、「どうやって相手を崩すのか?」というところだと思います。
このへんでチームの約束事や共通認識ができている場合は、戦術が機能していると思います。

一例としては往年のイタリア代表の場合だと、カテナチオと呼ばれる堅いディフェンスで自陣でがっちりと人数をかけて連動して守り、相手の人数を呼び込んでボールを奪い、速攻でタテに早いボールで相手陣が整わないうちに、ファンタジスタと呼ばれるような選手が崩して決める、という堅守速攻パターン。
いわば相手を自陣内に呼び込んで「崩し」やすくする戦術です。

※守りに自信がないとできない。
南アのスペイン代表やFCバルセロナの場合だと、プレッシングサッカーで前線、中盤から積極的にプレスをかけて、相手陣の近いところで奪い取り、つねにゴールの近いところでボールを保持することでゴールを奪いやすくまた守りやすくする戦術です。
いわば、整える部分と運ぶ部分を省略してしまう考え方と捉えています。※一瞬で崩す技術とボール保持の技術がないと攻めきれずカウンターをくらうため、うまいチームじゃないと無理


昨日の試合を後半からにはなりますが見たところは下記のような感じ

f:id:Umeyan:20180613113918j:plain


すごく良かったのは下記3点
・ボールの奪いどころの共通認識ができていた。
・ボールを奪われてはいけないところの共通認識もできていた。
・相手をどのように崩すかのパターンがようやく見えてきた。

奪いどころは前線~中盤ということで、効果的なプレスをかけていました。本田選手がこれまでフォアチェックをが遅れ気味でしたが、今回はメンバー変更が功を奏したと思います。
香川などはゲーゲンプレスでプレッシングには慣れている感じです。
ボールロストが多いということが親善試合のトライアルで言われていて本田がやはり多かったのですが、今回は柴崎選手が正確なパスを的確なタイミングで散らしていて、ボールロストが少なかった印象です。
パラグアイのプレスが甘いという見方もあるとは思いますが
どのように崩すかということですが、乾、香川、武藤、大迫が相互にチャンスメーカーとストライカーになるような形で上手くスイッチしたりしながら決める形がみえました。
あとは柴崎のポストプレーやFKによる得点の形がみえたら、より得点力はあがると思いました。

この辺はすべて連動性が重要だと思いますが、選手の深いところ(感覚)の相互理解が重要になると思っています。
だいたいワールドカップで強いチームは、同じクラブチーム出身者が多いチームだと思います。同じチームでやっているメンバーだとパスの出しどころ、動きだし、奪いどころなど、お互いのことが理解して動けるからです。
今回連動がうまくいっていたのは、鹿島とセレッソのメンバーが多くいて、感覚値が近かったのではないかと勝手に思っています。
今回のWCでもクラブチーム母体は多く、ブラジル(PSG)、スペイン(バルセロナ、レアル)、ドイツ(バイエルンドルトムント)、イングランド(トッテナム)など

香川選手がドルトムントと同じぐらいの輝きを日本代表で放ったのをはじめて観れた気がします。
本田選手はなんやかんやいって日本代表では個としては一番決定力を持っている選手だと思いますが(WCの得点数、パチューカでの活躍などから)、今回の目指すところからは少し合わないのではないかと思いました。
南アWCの逆パターンですね。

(※当時2010年、中村俊輔がはずれて本田が台頭した)

日本代表、期待しています!

 

マニアックなエントリーを最後まで見ていただいた方に感謝申し上げます。