ディープラーニングについて調べ、考えてみた。
1月28日のニュース以来、夜も眠れないぐらい興奮してます。
興奮しすぎて鼻血ぶー太郎です。
興奮しすぎて何を書いているのか、わけわからなくなるぐらい、やばいです。
あれ、やばいよ、やばいよと言い続けても、出川哲郎か!といわれるのが関の山で伝わらないので、なるべく何がやばいのかを、自分の考えを言語化して伝えたいと思います。
■歴史の1ページが刻まれた。
今回のGoogleのAlphaGOが囲碁のプロを破ったというのは、個人的には産業革命の始まりで「初めて蒸気機関車が走った」ぐらいの衝撃があります。
言葉にするとこんな感じ?
蒸気機関の発明により、エネルギーを力に変換して、単純労働を代替可能になりました。
今回は深層学習による人工知能により、コンピューターが経験による判断と意思決定を代替することが可能になりました。
※最初観たときにコンピューターが打ってるとは思えない棋譜でびっくりしました。
いやグーグルが人工知能専門の教授と教え子たちを抱え込み、DeepMindを4億ドルで買収したのもよくわかりました。
再び人類が成長の為のカギを手に入れたのではないかという思いが生まれ、正直これから世界が急速に変わっていくのを感じ、わくわくします。
■GoogleやFacebookが人工知能を開発、買収する理由とは?
当然ながら、囲碁の真理を解き明かすとかいう高尚な理由ではありません。(笑)
GoogleやFacebookの本質は広告事業であり、そのコアとなるキーテクノロジーが、アルゴリズムであり、アルゴリズムにより蓄積された膨大なデータとそこに集まる人こそが他社の追随を許さない競争優位となります。
GoogleとFacebookは、世界の情報を支配している企業といってもよく、この両社に存在していない情報は、基本的には「存在しない」扱いになります。(※他からはみえないという意味)
まあ日本はYahoo Japanが頑張ってるので、若干例外ではあるけど、中国なんかも両社を排除してバイドゥ(でしたっけ?)があるので例外ですね。
新しい人工知能は、両社にとって典型的な破壊的イノベーションを生み出す存在で、しかもそのポテンシャルが非常に大きい。
もし万が一どこぞのスタートアップが、新しいAIによるアルゴリズムにより、今の作り上げたバーチャルプラットフォームを脅かしたりしたら、たまったもんじゃありません。
ましてやなんでも自動化させるのは、本来Googleのお家芸。
人工知能により、検索能力を上げたり、広告表示能力を上げることは自分たちのコア事業を高めることになります。
囲碁のAI開発は、人工知能が機能するかどうか判断する絶好のテストケースになります。
絶好と思える条件は下記3つです。
①すでにビックデータと呼べる大量の打ち方のデータがある =実現可能性が高い
②過去の技術では認知と価値評価が実現不可能であったこと。
③知能の働きが視覚化されて見えること。
すでに欧州プロを打ち破ったことで、少なくとも人間の高度な熟練技能者レベルの判断などは学習による代替は可能と証明されました。
イ・セドルを破れば、膨大なデータを基に学習すれば、人間以上に正確な判断と意思決定ができるようになる可能性があるということですね。
■ディープラーニングとは何か?
これはGlobis知見録に素晴らしい動画がありました。
東京大学の松尾准教授による、最高の説明です。※昨年の秋の登壇のようです。
ディープラーニングとは何かというと、結論から言えば、データをもとに「何を表現すべきか」が自動的に獲得されていること、となります。
Auto-Encorderと呼ばれる回路を、多層構造で組み上げていくようです。
twitterで論文の内容の多層構造に対して、誰かが「囲碁ミルフィーユ」と突っ込んでいたのが印象的でした(笑)
図は論文にあるネットワーク構造です。
(下記動画は必見です)
人工知能の未来~ディープラーニングの先にあるもの Part1/2 ~東京大学・松尾豊氏~
https://www.youtube.com/watch?v=GbmKWY7SLng
人工知能の未来~ディープラーニングの先にあるもの Part2/2 ~質疑応答~
https://www.youtube.com/watch?v=53fsWd5o2fk&spfreload=10
■ディープラーニングの学習可能条件とは?
2012年から第3次人工知能ブームが来たようですが、それには環境変化によるところが大きそうです。
①ムーアの法則で演算処理能力がおおきくなったこと
②ITが活用されてから時間がたち、ビックデータといえるだけの情報の蓄積ができていたこと。
今回は上記に加え、優れた技術者と資金力がディープラーニングの構成を組むには必要そうですが、Googleはすべて条件を満たしていました。
※しかし昨年にグーグルは、画像認識で人間を越えるものを創り出してしまっていたんですね。。
■一口に人工知能(AI)といっても同じではない。
今まで人工知能というと、結構まるっと同じように考えてしまいがちでしたが、クリステンセンのイノベーションのジレンマ風に
①持続的イノベーションの人工知能(S)
②破壊的イノベーションの人工知能(D)
に分けるのは非常に面白いなと思いました。(※動画参照)
意外とプログラムやっている人でも、ディープラーニングのことはわからないという人は多そう。
SNSなどの反応みた印象ですが。
■一方、あまり過大評価しない方がという声も
AlphaGoが誇大広告ぎみな件
http://aleag.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/alphago-21ae.html
上記は多少今回の話とは論点ずれますが、AIの進化のジャンプはそこまでではないという意見ですね。
(※囲碁の強さだけに限ればということですが。内容はだいぶ違うとは思います)
■人類の未来はどう変わる?
最初このニュースを見て起きている出来事を理解したとき、人工知能は、①演算処理→②学習による知覚→③感情理解による共感へと進むのかな?と勝手に思いましたが、どうもそうではなさそうですね。
心のある人工知能、ロマンがあるんですがね。
松尾教授は生命と生存本能の結びつきから心の部分が発達しないだろうという見解をだされていて結構納得しました。
自動運転やロボットなどは、急速に現実味帯びてきます。
人間以上に安全かつ正確に運転したり、熟練工以上の精度でロボットが疲れを知らずに作業が可能になったり。
そういやグーグルっていっぱいロボット会社も買収してますね。
http://svjapan.blogspot.jp/2014/02/google1514326800.html
コマツとかは、ビックデータをうまく活用しているので、AIと相性よさそう。
一回作ってしまえば、少ない容量で稼働させることができるみたいなので、成長率高そうです。
パソコンや携帯電話の普及と同じで、状況によっては一気に世界が変わりそう。
すごい時代に生まれたなぁ