碁会所業界について考えてみた


碁会所があそこがつぶれたとか、そういう話が最近ちらほら聞こえてきます。
一方で新しく碁会所を作ったり、これから作りたいという人もちらほらいたり。

 

MBAの業界分析と定番といえば、M・ポーター教授提唱の5F(5の力)分析


ということで、碁会所業界にどんな力学が働いていて、業界の魅力度はどうなのかざっくり考えてみます。
※この5Fの分析とは、5つの競争要因
サプライヤーの交渉力
・買い手の交渉力
・新規参入の脅威(参入障壁)
・代替品の脅威
・競争環境
の大きさによって、業界の収益構造が規定されるというものです。

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ちょっと考えなくても大変な業界というのは、前回のブログの新聞記事を読んでもわかりますが、碁会所が苦境というのは単純に囲碁人口の減少というだけでなく、僕は一つは産業構造の問題もあると思っています。
特に大きいのが代替品の脅威だと思います。

 

碁会所というのは僕は、「囲碁の対局者のマッチングサービス」を提供しているビジネスだと捉えています。
そういう意味で捉えると、ネット碁のほうが優れた利点って多いです。
①場所を選ばない。
②無料で遊ぶことも可能。
③ネット上のため、地理的制約がないことからより広範囲の多くの人と対局できる。
もちろんリアルな対局には、ネット上では生み出せない価値もあるとは思うのだけど、こと「対局者のマッチング」という機能だけを捉えるなら、むしろネット碁の方が利点が大きい。

※もちろん囲碁全体としてはネット碁、アプリなど新しいテクノロジーの普及で楽しめる環境が増えることは歓迎。

適切な喩えかどうかは分かりませんが、多くの家庭にお風呂が備え付きになるようになって(代替品の増加)、街の銭湯が減っていくようなもんですかね。

 

当事者としてこの5F分析でいえることは
碁会所業界はだからだめなんだと諦めることではなく、
これまでの業界の在り方では厳しいため、既存サービスと異なるビジネスを展開していく必要がある認識を持つこと、です。

変化しないと生き残れない、というのは多くの企業や業界と一緒ですねー